定年自由生活

定年後、好きなことを見つけるための日々の考察

定年後の不安について

定年後の生活については、会社に勤めていた50歳のあたりからたびたび不安に襲われてあれこれ悩み考えていた。
 
不安になるたびに、まずはネットを検索してみることになる。
 
「定年」「定年後の生活」「定年 お金」「定年後 仕事」「定年 年金」など、どの都度思い立ったキーワードで探してみるのだが、たいてい書かれていることは同じ。
・60歳で定年退職をしてから、年金が満期でもらえるまでは、仕事をして貯蓄をなるべく減らさないようにするべき。
・通常のサラリーマンと専業主婦の家庭では20万/月程度の年金。
・平均的な生活費用は25万円/月程度が必要で、余裕のある生活には32〜35万円程度必要。
・貯蓄は3000万円程度は必要。
・なるべく長い間、仕事を続けることをするべき。
・家にいて何もしない生活は、老化を早める。
・いつも家にいる夫は、妻から邪魔者扱いをされる。
・毎日打ち込めるような趣味を持つことが大切。
・社会とつながりを持ち続けることが必要。
・地域社会に溶け込み、自分の役割を見つけることを重視するべき。
などなど。
 
なんど読んでも、現実と理想のすがたのギャップで不安が増すばかり。
 
60歳を過ぎてから雇用延長で会社に残ることについては、実際にその選択をした先輩たちに話を聞いてもいい話は聞こえてこず、実際にいきいきと会社生活を続けている姿を見ることは無かった。
 
自分は、60歳で会社を出て、なにか自分でできることを探しながら生きていきたいと思った。
 
さいわい60歳になるまで、会社では社外の複数のプロダクションを使って、しばらくの間は続きそうな仕事の枠組を作り上げることができ、それを任せる部下たちも育成することができた。
そのため、会社を60歳で辞めても、社外メンバーとしてその仕事を続けられるめども立っていた。
 
ところが、会社を辞めたとたんに、会社内の関連プロジェクトがすべて中止となる。
そこで、大きく目算が狂ってしまった。
 
もともと、あまり会社に残る意志もなかったのだが、いったん会社から離れてから、全く自分の仕事を続ける足がかりがすべて無くなってしまったのだ。
 
会社を辞める前に、いろいろな不安と挫折感を抱えながら、なんとか自分の先行きを確保できたと確信して安心した直後に突きつけられた現実だった。
 
かなり焦りと不安を感じた。
 
とにかく、年金が受け取れるまでの間、全くの無収入になってしまうのだから。
 
不安で、夜中に何度も目が覚めてしまうようなこともあった。
 
最初にしなければならないことは、いったん退職後の収入に関して過大な期待を抱かせてしまっていた妻に、退職後の仕事が無くなったことを伝えることだった。
 
けっこうそれが恐怖だった。
 
実際に、話しをしてみると、妻は思いの外あっさりと受け入れてくれたようだった。
ただ、それでも何かしら仕事をするんでしょ。と何か収入はあることは当たり前のような反応。
 
これが、長年専業主婦を続けてきたことから来る習性なのか、私の能力を買いかぶっているのか。
 
妻よ、会社に頼らずにお金を稼ぐと言うことは、ものすごーく大変なことなのだよ。